悶々とした日々を音楽で浄化するべくビートルズとストーンズを聴き漁っていたタイミングでのコレですよ。音楽に魂を奪われた人達よ。聴きなさい。行けるから。世が明ける前に。聴けよ。#くるり #thaw @Kishida_Qrl https://t.co/jVnquC6T4W
— 保坂壮彦 (@ho_take) 2020年4月14日
悶々とした日々が延々と続いている。音楽を聴こうにも、主体的に聴こうとする音楽をセレクトする気が起きなくて。ラジオステーションから流れる音楽に身を委ねてみる。そこで流れる音楽は、生温い、「癒し」と言われるような、「心地よいでしょう、これ」というような音楽が垂れ流されていて、疲弊する。自分でセレクト出来ないくせに、人にセレクトを委ねても結局フィットしないんだなって。どうしたものかと…。
音楽というものは。太古の昔に言語が無かった時代にコミュニケーションとして鳴らされた音楽以降、大衆に向けてクリエイトされた音楽というものが確立された以降の音楽というものは、いつだってそれらの過去の遺産を引用し、音楽の系譜を綴ることに敬意の念を抱きつつ、今ここにいるアーティストが試行錯誤して、今だからこそ鳴らせるテクニックと手法と思想と感情を乗っけて生み出すというサイクルを続けて行くんだよなということを思いだして。それを確立したアーティストである、全世界のポップミュージック、ロックンロールの原点である、ビートルズとローリングストーンズの音源を貪り聴き漁ることにした。
そんな僕の耳に昨夜飛び込んできた、くるりの『thaw』。
「さっきの女の子」〜「人間通」。
この2曲を聴いてぶっ飛んだ。
「ずるいよ、くるり。」って。
1stアルバム『さよならストレンジャー』のリリース時にあてられた、「すごいぞ、くるり」っていうのを思いだして呟いた言葉ではなく、本気でずるいよって思ったんです。
既に聴いたみんなは、それぞれ『thaw』収録楽曲にて、色んな楽曲にあれやこれや。これが好き、あれが好きと思いを馳せていると思うのだが。そんな、いちリスナーの人間として。僕は、「さっきの女の子」〜「人間通」。この2曲にぶっ飛ばされてしまったんです。この2曲とも、過去にリリースされた『ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER』の初回限定盤にのみ収録されていて。既知の楽曲。「さっきの女の子」は、くるりがこんな脳天気なロックンロールを鳴らすなんて!って。そのギャップにやられたから大好きになったのだ。「人間通」なんかはもう、狂気の沙汰だよなと。でも、溢れんばかりの魂のエモーションの爆発と実験的楽曲構成を保つ為の歪みが狂おしいほど愛おしく感じていたのです。
そんな2曲を聴いて。
目の前に広がる悶々と延々が弾け飛んだんです。
下世話と狂気。
理性で抑えきれない下世話な思いと。
理屈で抑えきれないアドレナリンよ。
この2つだけで、視界がひらけたんだわ。
まだまだいけるかって。
くるりっていうバンドは。
行き先があるのかないのかわからないけど。
ならば、行けよっていうことなんだよね。
行ったら、幸せがあるよじゃないんだよね。
今の混沌を浄化するわけでもないんだよね。
普通が普通として蔓延しているときにはあまり気づかない。
普通が歪んでしまったときに、気づかされることがおおいんだ。
ほんと、ずるいわ、くるり。
だからこそ、ありがとう、くるり。
これ以上の。
音楽を言葉で説明するのは。
創り手、岸田君の『thaw』ライナーノーツにて。
是非。