保坂壮彦日記

ALL IS LOVE IS ALL

「大衆の心を如何にして掴むか」

 

 身震いがした。

 

 そして、むかついた。

 

 結果、感無量になった。

 

 はい、素晴らしい、と。

 

 僕は、音楽を聴いた瞬間、素晴らしいなと直感で感じた時に、無条件で反射的に身震いをする。されるのです。そして、その音楽が、マイノリティと言われているであろう界隈でひっそりと鳴っている音楽であればあるこそ、速効惚れてしまうのです。しかし、その音楽が、世間一般的に、マジョリティと捉えられているアーティストから発せられたものであればあるほど、瞬間的に身を引いて構えてしまうのです。なんか、むかつくわぁ〜って思うのです。でも、その防御姿勢のままで、改めて吟味した後に、マイノリティという括りで聴いている時と同等に、いやそれ以上に感無量度合いが増幅されてしまうと、もう、諸手を挙げて感無量となってしまうのです。すなわち、素晴らしい音楽だと。思うのです。はい、天の邪鬼…。

 

 僕にとっての星野源とは。

 

 虚実。生死。君と僕。白と黒と黄色とか…。この世では決して混ざり合えない事実。そこに対してとても意識的であり。その矛盾と普遍性への距離感を音楽を通じて、表現出来る、数少ない希有なアーティストであると思っているのです。これは、音楽以外での様々な表現活動を行っている彼ではありますが。音楽に関しては、そうだと断言してしまいたいのです。

 

 彼は、今鳴るべく、鳴らすべく音楽を知っている。

 そういう音楽を昔から好きでいるからこそ、演っている。

 そして。今。自ら。

 大衆に響き渡る、ポップ・ミュージックを切り拓くことを背負ったのだ。

 

 こんなことは今更言うまでも無いかも知れませんが。彼は、そうなのです。彼は、それを出来る人なのです。彼は、それを選んだのです。いや、時代に選ばされたのかもしれません。いやいや、彼がごく自然に音楽をやり続けていく上で、そういう未知の世界に興味を持ち、そういう道に行くことを拒まなかったのかもしれません。経緯はどうあれ、彼から流れ出した音楽は、既に日本の音楽史に刻まれるようになってしまいました、と、まで、言い切ります。

 

 軽くまとめますと。

 

 あえて、今回の新作が生まれるに当たっての、音楽的観点や彼の意義趣向を臆することは書きませんでした。それらは僕よりももっとプロフェッショナルな方にお任せします(笑)。それよりも、僕が伝えたかったのは、“大衆に響き渡る、ポップ・ミュージックを切り拓くことを背負ったのだ。”ということです。はい。直接本人からインタビューとかで訊いたことがないのでここまで断言すること自体、オカシナことなのかもしれませんが。彼がソロ活動を開始したころから、それなりにずっと聴き続けてきた経緯を踏まえて鑑みると、どうあがいてもそう思うしか無いし。そう思っていることを彼に押しつけたい欲望が溢れてしまうのです。

 

 で。そのような思いを、星野源に対して抱いている理由って?

 

 それが、このブログにも貼り付けた自分のTweetの内容に繋がるのです。“先輩”の名前は敢えて伏せさせた頂く事ご理解の程で。“才能あるアーティストは、最新作が常に自身の最高傑作となるのである」”ということを発言した“先輩”は、どのアーティストに対してそう発言したかといいますと。中村一義です。この言葉を頂いた時期は、2002〜3年だったかと思います。そしてその頃には、主立った活動を行っていなかったアーティスト、小沢健二に対しても、その先輩が発言しておりまして、納得せざろう得ないじゃないか!と思った次第であり。それを思い出して、Tweetした次第であります。ていうか、星野源本人も、中村一義小沢健二からの影響を公に発言しているはずでありますよね。そんなミッシングリンクが僕の中で、カチッとはまったということであります。

 

 最後に。

 

 世間一般的にいう、“ポップ・ミュージック”とは?

 

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“芸術というのは大衆性がなければ成立しませんよ。それで、魂を揺するような鋭さを持っていないとね。上っ面で流れているようじゃ人の心を掴めないよね…(中略)…だから、カズには「大衆の心を如何にして掴むか」という目標をもって、間違えずに一本の道を歩いてもらいたいんです。「あきらめるな」って言ってるんです。カズに。死ぬまでな。”

「中村語録」初版2002年5月11日発行(現在は新装版として発売中)

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 ということなのです。この「中村語録」。私がインタビュアーやら構成やらをやらせて頂いた書籍でありますからして…完全なる手前味噌開陳であります。故にこれって、もう、タレント的に言うと、番宣?ステマ?に思われるのかもしれませんが。心底、そうじゃないことをご理解頂けませんか?ほんとうに…。心の底からこの一文を噛み締めて欲しいのです。大衆音楽=ポップ・ミュージックがなんぞやと。如何に重要かと。それを衝いている言葉力なので引用させて頂きました。

 

 はい、終了でーす。

 

 ブログ再開から。

 

 未だ数回。。。。

 

 でも、これでも必至なんです。

 

 更新回数少なすぎですが。

 

 まだまだ長文ブログ、リハビリ中。。。。

 

 ってことで。

 拙い部分多々あることご理解のほど。

 失礼!